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ともぞうの性別放浪記 その3


2週間のご無沙汰となってしまいました。
ケアマネ試験を控え、バタバタとしていたら原稿を書けずじまいで・・・。
何とか、無事に試験が終わりましたので、これからは毎週更新を目指していきたいと思います。

さて、すでにお忘れの方も多いかと思いますが、前回は、国勢調査でトランスジェンダーが男女の部分を回答する場合は自分の思う性別を選択してよいとの話を書きました。 そこから派生して、トランスジェンダーが突き当たる壁の一つである、戸籍の性別変更の話を、法律の話(私自身詳しくないのでざっとではありますが)を交えながら書いていきたいと思います。

自分が戸籍変更をせず、女性として暮らしていると話すと、「性同一性障害と診断された人は戸籍変更が出来るんだよね?」といったご質問をされることがあります。確かに、法律が出来て戸籍変更が可能になりました。しかし、戸籍を変更するために必要な用件は結構ハードルが高いのです。

まず、戸籍を変更するための用件は5つあります。 (平成15年7月30日成立 平成16年7月16日施行 性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律より)
1.20歳以上であること。
2.現に婚姻をしていないこと。(かつて結婚していても、現在離婚して独身であればOKです。)
3.現に未成年の子がいないこと。(昔は、子がいないことでしたが、用件が厳しすぎるとのことで、緩和されました。)
4.生殖線がないことまたは生殖線の機能を永続的に欠く状態にあること。(簡単にいってしまえば、女性体の場合は卵巣・子宮、男性の場合は睾丸・ペニスを切除していること条件になります。)
5.その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。(男性から女性に性別を変更する場合は、乳房と女性器のような外見を持つこと。必ずしも膣は必要ではないです。女性から男性に性別を変更する場合は、乳房切除でOKになりつつあります。男性器を手術で付けるのは困難が伴うため。)
ただし、この5つの用件を満たせば、すぐに戸籍変更できる訳ではありません。

まずは、性同一性障害に造詣の深い精神科医2名による『性同一性障害』の診断が必要となります。そのような医師のいる医院は、通常の精神科と区別をして「ジェンダークリニック」と呼ばれています。
自分が性同一性障害かもしれないとの主訴で受診をして、最初の医師から診断が出るのは、早い人では2週間に1回の割合で通院して約半年くらい。他に精神的な疾患を患っている場合は、1年や2年といった長期間の通院が必要になる場合もあります。
その後、もう一名の精神科医の診断が出て、初めて手術するための準備ができます。
その後、ホルモン補充療法(女性体は男性ホルモン・男性体は女性ホルモン)が始まります。ホルモン療法である程度、自分の望む性別での生活が構築出来るようになってから、手術となります。

戸籍変更の用件を満たすための手術は、当たり前ですが今のところは健康保険の適用外のため、自費になります。当事者は手術費用の安い所を目指し、大体はタイなどで手術をしてくることが多いです。また、タイなどで手術する場合は、当事者が手術のアテンダンドをつとめ、オペツアーのようなものもあります。
手術には大体100万から200万ほどかかると言われています。それでも安くなった方ですが・・・。

無事に手術をすませた後、性同一性障害の診断を出した医師に書類を作成してもらい、家裁の審判を経てやっと戸籍の変更が完了します。 戸籍の変更まで完了するのに、早くても1年半~2年ぐらいかかるのが実状です。ただし、これはきちんと段階を踏んだ方の場合でして、人によっては、ホルモン療法、手術を先に済ませてしまい、戸籍変更の書類を作成してもらうためだけに精神科に通う場合もあります。

大体の当事者は、戸籍変更する前までのどこかで自分が納得する場所を見つけるので、戸籍変更まで行く当事者の数はそんなに多くはありません。性別変更が出来るようになってから、約12年が経過しましたが、ざっと計算して戸籍変更した当事者は1万人いるかいないかです。
今回は、性別変更に必要な用件や手順を簡単にご紹介しました。次回は、私が考える性別変更に伴う問題点をお話出来ればと思います。

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