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自分の問題は何を変えれば解決するか?―FTM自認のCさんの例


「自分は長い間、女性の体と女性の社会的立場を押しつけられてきて苦しかった。で も性別を変えれば、人生は大逆転でハッピーになる」

そんな思いで、ジェンダークリニックの情報を探す人に会ったことがあります。ここでは会うなり「自分は女性じゃないんです」と言ったCさんの例を挙げます。

出会った当時、Cさんは20代前半で、今すぐにでも病院で診断書をもらって性別を変えたい、だから情報を教えてくれと、切羽詰ったように迫って来たのが印象的でした。どうして性別を変えたいのか、変えるならどこを変えたいのかと聞いても、「とにかく自分は女性じゃないんです」と言う。他人の通院事情に興味のない私でも、そんなに焦っているのはおかしいと思いました。

性別を変えると言っても、服装を変える、名前を変える、乳房を取る、子宮を取る、性器の形を変える、ひげを生やす、戸籍を変更する、男性として学校に通う、男性として就職する、男性に見える容姿に変える、男性として扱ってもらうように周囲に働きかける、etc.重要視するポイントは人によって様々です。Cさんにはそのポイントが見えておらず、「とにかく性別を変えれば人生の一発逆転が起こる」と信じているようでした。

当時ジェンダークリニックは予約がいっぱいだったため、Cさんは仕方なくメンタルクリニックに通い始めました。そこでカウンセリングを受けているうちに、徐々にCさんの問題が明確になって来ました。

Cさんは子供の頃から親に「お前が男だったら良かったのに」と言われていたそうです。Cさんがスポーツを頑張っても、有名な大学に入っても、親は「でもお前は女だからな。お前が男だったら良かったのに」と言われたと聞きました。そんな中で、「自分が女だから親は誉めてくれないんだ。自分が男だったら親は誉めてくれるんだ」という気持ちが芽生えたのだと、Cさんは考えるようになりました。

最後に会った時、Cさんには最初の頃の焦りはまったくありませんでした。ただ、「自分は本当に男性になりたいのかじっくり考えたい」と、メンタルクリニックでのカウンセリングを続けると話してくれました。それ以降、Cさんが性別を変えたという話は聞きません。

Cさんの問題の本質は性別ではなく、条件付きでしかCさんを愛してくれない親との関係でした。そんな中で焦って性別を変えなくて良かったと、何年も前の出会いですが、今でも時々思い出します。

(サポーター)

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